環境庁は、農薬が環境ホルモン(内分泌かく乱物質)とし
て野生生物の生殖機能にどんな影響を与えるのかを判別する手法(試験法)
の開発に、2000年度から着手する方針です。メーカーが農薬を新規登録す
る前の試験法のひとつとして、2000年末ごろまでに確立させたい考えです。
計画では、学識経験者の検討会を設けウズラとメダカ、カエルにDDT(有
害性が立証され、使用が既に禁止されている有機塩素系殺虫剤)を投与し、
繁殖などで異常が起きるかどうかを調べ、農薬が生殖機能に与える影響を
的確に測る方法を開発するもの。実験は、米国環境保護庁(EPA)の「内分泌
かく乱化学物質スクリーニング・試験諮問委員会」が示した試験法を参考
に行うということです。
環境庁の研究班が97年7月、環境ホルモンの疑いがあると指摘した67物
質のうち約40物質が農薬でした。同庁が今年2月にメダカを「絶滅危ぐ種」
に指定するなど、身近な生物が姿を消した一因に農薬の影響を挙げる声も
多いということです。このため、同庁は試験法を早急に確立し、農薬メー
カーを所管する農水省を通じ、メーカー側に申請前に自ら試験するよう指
導を徹底して、野生生物への影響を減らしたい意向です。
資料:平成11年9月14日付 日本工業新聞
分離分析課 高橋 真朋子
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