建設省は、国が管理する 全国109の1級河川および主要下水道施設を対象に5〜9月に実施した内分泌かく 乱物質(環境ホルモン)の水質調査の結果を発表しました。調査の対象としたノ ニルフェノール、フタル酸-2-エチルヘキシル、フタル酸-n-ブチル,アジピン 酸-2-エチルヘキシル、ビスフェノールAなどの5種の化学物質は、約7割に相当 する75河川でいずれかが検出され、環境ホルモンが身近に存在することがあら ためてわかりました。

 調査は昨年2回行ったのに続く3回目で、建設省によると、濃度や検出地点数 の傾向は昨年と大きな違いはなく、河川の水には環境ホルモンが「低濃度なが ら広く存在することがあらためて確認された」としています。また水質調査の ほか底質調査検出、下水道施設の流入下水・放流水の水質調査も、98年度調査 とほぼ同様の結果となりました。ただ、環境ホルモンには水質基準が定められ ておらず、検出されたことが直ちに安全性の議論に結びつくわけではないとい っています。

 また、9河川の27地点で雄コイ252匹を捕獲して雌化の目安とされる血中ビ テロゲニンの濃度を調べたところ、3割に当る77匹に、環境ホルモンの影響に よる可能性と考えられる雌化の兆しが確認されました。

 なお、下水道施設の調査では、前述5種の化学物質のほか4-t-オクチルフェ ノールが多くの施設で検出されています。  

 資料:平成11年11月20日付 埼玉新聞
平成11年11月24日付 化学工業日報 

 分離分析課 高橋 真朋子  


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