分解しにくく残留性の高い 有害化学物質を規制する国際条約作成交渉の第3回会合が6日、ジュネーブで 始まりました。11日までの会合では対象となるダイオキシン、DDT、ポリ塩 素化ビフェニルなど12物質について、規制の内容や実施時期を協議し、殺虫剤 DDTについてはマラリア対策上の懸念から規制反対論もあるなど、調査は難 航も予想されます。
規制対象には、ダイオキシン同様、ゴミの焼却で発生するジベンゾフランや エンドリン、アルドリン、トキサフェン等の農薬も含まれ、交渉では使用を禁 止するか、一定の規制のもとでの使用を認めるかなどを物質ごとに検討し、条 約実施のための技術・資金援助や技術移転も主要論点となります。
約20カ国で使用されているDDTに対しては、環境保護団体などがマラリア 予防代替手段はコスト高などの難点も指摘されており、交渉を主催する国連 環境計画(UNEP)では世界保健機関(WHO)と対策を検討する方針 です。これら12物質以外にも、将来規制対象リストに加える場合の科学的基 準も設け、交渉は2000年末までの実質終結を目標とし、次回会合は来年3月 に予定されています。
資料:日刊工業新聞、平成11年8月17日号
化学工業日報、平成11年8月18日号
日本工業新聞、平成11年8月19日号
分離分析課 高橋 真朋子
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