厚生省は、 全国市町村の一般ごみ焼却処理施設について、ダイオキシンの排出抑制に向 けて国が98年12月から適用している構造・維持管理の基準に適合しているか どうかの調査結果をまとめました。全国1,596ヵ所のうち、施設の構造基準で ダイオキシンが排出しにくいとされる800℃以上で燃やせる燃焼室を備えてい るのは1,401施設で、195施設は基準を満たしていませんでした。また、燃焼 室の温度を24時間連続で測定・記録する装置がない施設も91ありました。運転 停止の際に、燃焼室内を高温に保って、残ったごみを最後まで燃焼させる装 置も181施設で未整備でした。

 現在稼動中の施設はすべてダイオキシンの排出基準を達成していますが、 同省では「排出を確実に減らすには、基準に合う施設整備が不可欠」とし、 基準に適合していない項目は関係市町村に改善するよう指示しました。早急 に改善できない場合は、排ガス中のダイオキシン濃度を頻繁に計測し、排出 基準を満たしていることを確認するよう求めています。また、2,002年12月か ら適用される新基準について調査時点でみると「ばいじんと焼却灰を分離し 排出して貯める」基準を既に達成しているのはほぼ40%にとどまっていまし た。

資料: 埼玉新聞、 平成11年6月19日号
日本工業新聞、6月21日号

クロマト研究課 田沼 祐樹


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