環境庁 は、全国の排出源別にダイオキシン類総排出量を示したインベントリ(目録) をまとめ、ダイオキシン対策関係閣僚会議に報告しました。1998年中に全国 で排出された総量が約2.9 kg と、前年(6.3−6.4 kg)の半分以下に減った ものの、依然諸外国に比べ高水準となっています。同庁は今後、インベント リを毎年作成し、4年以内に総排出量を 600 gまで削減したい意向です。
同庁は近く国会に提出される「ダイオキシン類対策特別措置法案」(議員 提出)の施行までに、(1)排ガス中のダイオキシンが規制される廃棄物焼却 炉を、現行の1時間当たり処理能力200 kg 以上から、同 50 kg 以上まで拡 大する、(2)鉄鋼焼結、亜鉛回収、アルミニウム合金製造の3業種をその規 制対象に加える−など規制強化の考えです。
施設種類別では、最大の排出源である一般廃棄物焼却施設の排出総量は 1, 340 g (97年4,320 g)、産業廃棄物焼却施設は 960 g(97年1,300 g)と 大幅に減少。これは、大気汚染防止法と廃棄物処理法の規制強化が背景とのこ とです。
今回のインベントリには、ポリ塩素化ビフェニルの一種でダイオキシン類と 似た毒性をもつといわれるコプラナPCBは含まれていませんが、同庁は 99 年分からは算入の方針のため、総排出量は1割程度上乗せされる見込みです。
資料:東京新聞、平成11年6月26日号
重量分析課 内田 陽子
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