厚生省は産業廃棄物や家庭 からのごみを焼却する施設の新設について、周辺地域で大気中のダイオキシン 濃度が指針値を超えている場合は認めないことを決定し、各都道府県に通知し ました。焼却施設が集中している地域に、これ以上施設が増えるのを防ぐのが 狙いです。

 焼却施設のダイオキシン排出では、これまで施設ごとの排ガス濃度規制で対 応してきましたが、個別に規制値をクリアしていても地域全体で集積するので 環境が悪化することから、二重に規制を施しダイオキシン対策を強化したもの。政府は3月にまとめたダイオキシン対策基本指針で集中立地規制を盛り込んでおり、今回はその具体策です。  通知は環境庁がダイオキシン濃度の大気環境指針として定めている『1立 方_当り年平均0.8ピコ_以下』との数値を基準に、焼却施設の新設計画地域で 既に指針値を上回っている場合は、都道府県は建設を認めないよう求めていま す。

 周辺のダイオキシン濃度測定は設置を申請する事業者に事実上義務付け、 各都道府県は指針値を上回っていないことを確認するものです。廃棄物処理 法は処理施設の計画上、周辺の生活環境保全への配慮を求めており、今回は その判断基準を例示したもの、と厚生省では説明しています。

 個別の廃棄物焼却施設に対しては、現行で新設の場合、処理能力別に排ガ スダイオキシン濃度基準の達成が必要ですが、今回の通知はそれを強化する かたちとなっています。 

 資料: 埼玉新聞、1999年 5月 1日号  

分離分析課 田沼 裕樹  


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