有機性廃棄物・生ごみの農地還元が近年活発化しており、処理業界でも にわかに処理機メーカーや肥料会社、農業関係者などとタイアップする事 例がふえてきています。通常、生ごみなどを再生したコンポストは「特殊 肥料」の扱いになっていますが、この肥料の法的扱いには変化の兆しが見 られてきています。肥料取締法の中で特殊肥料の指定がなされたのは1950 年。約50年も経過し、現代の実際の肥料組成や含有栄養分とマッチしない 事情もあることから、国では同法の改正、見直しを急いでいます。

 国の改正案では、品質のばらつきが多く、施肥過剰を起こして農家が 環境汚染を招く可能性があるとして、魚粕や米糠を除く特殊肥料の成分 含有量(窒素・リン酸・カリ分など)と原料・種類(牛糞や藁など)の表示 義務化が検討されています。また従来、特殊肥料だった汚泥肥料は、化 学肥料と同様に水銀やカドミウムなど有害成分の最大許容値を設定する としています。さらに都道府県の届出制から国への登録制へと変わる予 定で、農水省の事前審査を受ける必要がでてきそうです。

 一連の動きについて農水肥料機械課では「かねてから協議していた 『品質表示検討会』の中間報告がまとまったもの。現在、各都道府県の 出先機関などから意見を集めており、5〜6月頃には改正案の全容が明 らかになるだろう」と説明しています。

            

資料: 廃棄物新聞、平成11年5月17日号  

環境分析センター   石澤 牧子


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