通産省は 再利用が進んでいない都市ごみや下水汚泥の溶融スラグのリサイクル促進の ため、今年度から溶融スラグを使用する建築資材のJIS規格化の作業に着手し ます。7月に委員会を立ち上げて標準化に向けた基本方針を決め、2年ほどかけ て製品規格や試験法規格についての調査研究を進め、2001年度には「用途別の JIS規格化原案」を策定する予定です。
ひっ迫する最終処分場対策、焼却灰の地下水汚染防止、またダイオキシン対 策などの視点から、今後、溶融スラグの排出量が増えることが予想されていま す。溶融スラグは建築資材としての再利用が期待されているものの、ほとんど が埋立処分され、リサイクルは進んでいない現状です。
工業技術院ではプラントメーカーなどで溶融スラグの再商品化技術の開発が 進んでいることや、強度など品質面での向上も図られていることから、溶融ス ラグを用いる建築資材の規格化に関して99年から標準化の調査研究を実施する ことにしました。具体的には、路盤材・アスファルト骨材・れんが・タイル− の4用途についてそれぞれJIS規格の制定に向けた調査研究を進めます。
7月に専門の委員会を立ち上げ、標準化に向ける基本方針を決定し、2000年 度は強度・安定性など各種試験方法を確立(試験は財団法人「建材試験セン ター」に委託)します。2001年度には用途別のJIS規格化原案が策定される予 定です。
資料: 化学工業日報、4月7日号
元素分析課 岡田 伸美
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