環境庁は 12月8日、97年度に実施した全国の河川と湖沼、海域についての水質調査結 果をまとめました。環境基準の達成率は海域で過去 20 年で最低の74.9% を 記録したほか、湖沼も50%を割るなど、水の流れが悪い閉鎖性の水域を中心に 依然厳しい状況が続いています。

 この調査はBOD(生物化学的酸素要求量)とCOD(化学的酸素要求量)の生活 環境項目については計7,248地点(3,244水域)で行われました。

 生活項目の環境基準達成率は全体では 78.1%と前年度を4.4% 向上し、特 に河川では80.9%と初めて80% を超えました。これはこの年雨が多かったこ とが要因となっています。しかし、海域では、74.9% で前年度から6.2% 下 落、閉鎖度の高い東京湾、伊勢湾、大阪湾の3海域の達成率はそれぞれ 63% 、44%、75% で特に伊勢湾では過去10 年で最低の記録となりました。また、 湖沼の達成率も CODが 41%(前年比1.0% 減)、富栄養化を示す窒素・燐が 42.6%(前年比4.6% 減)と ここ数年低いレベルが続いたままです。これ は生活排水の流入が続いたことが主な原因となっています。調査地点のうち 水質が最も悪い河川は大阪府の近木(こぎ)川下流、湖沼は前年同様、手賀 沼でした。

 これらの測定結果について環境庁は、「生活環境項目の環境基準の達成率 は満足できる状況ではなく、生活排水対策の一層の推進を図る必要がある」 とコメントし、厚生、農水、建設の各省庁に今後の対策の強化を要望しました。     

資料: 埼玉新聞、平成10年12月9日号
日本工業新聞、平成10年12月9日号

環境計量課 佐久間 陽子


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