埼玉県が設置している『ダイオキシン類削減対策検討委員会』 (委員長 鍋島 淑郎玉川大学工学部教授)は2月6日、最終報告を土屋義彦知事に提出。1月 下旬まとめた最終報告案に加えて、従来、大気中のみであったダイオキシンの 濃度基準[国の排出基準対象の排ガス濃度]を、飛灰・焼却灰を含めた土壌に 関しても、5年以内に飛灰と焼却灰の分離を行い(飛灰は当面、加熱脱塩素化 処理。焼却灰は熔融固化など)、全国に先駆けて削減目標値を設定するよう国 に要望してゆくことを新たに挙げています。

 また今後設置する廃棄物処理施設は、ダイオキシンの排出量に上限を設けて 立地規制をかけることや、産廃処理業者が県に持ち込む産廃量をあらかじめ届 け出る事前協議制も正式に提言されています。

 一般廃棄物関連では、94年度の実績焼却量 1,930,000 t を 2000 年度には 1,530,000 t、さらに 2006 年度には 1,110,000 t に削減するために、資源の 分別回収、生ゴミの堆肥化やRDFによる発電、エネルギー回収方策および廃 プラスチック類を高炉原料として利用するなどのゼロ・エミッション事業を推進 するとしています。

 一般廃棄物、産業廃棄物施設ともに、その設置が行政境に追いやられ、 結果的に焼却施設が集中立地している実態があり、今後の建替え・新増設など に際しては、大気環境指針値(年平均 0.8 pg TEQ/N m3 以下)を判断基準に、 周辺地域への影響を前もって予測する必要があるので、その手続き・技術的手法 などをも検討すべきとしています。

 ダイオキシン対策を効果的に進めるうえで、県は入手した測定データを原則 公開するとともに、事業者も測定データは自ら積極的に公開し、これまで以上 に情報開示を進め、事業者・住民の情報の共有化を図ってゆくよう求めていま す。

                        

                                                                

   資料: 日本経済新聞、2月7日号、環境新聞 2月11日号、廃棄物新聞、2月23日号

環境分析センター  石澤  

 
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