環境省ではPOPs条約(ストックホルム条約)で新たに規制すべき化 学物質を選定するために化学物質の「長距離移動性」に関する調査を来年度から開始します。POPs条約で規制されている 物質は現在DDTやPCB等を含めた12物質ですが、条約発行後は、規制対象物質の追加が検討されることになります。

 POPs条約で規制されている対象物質の要件のうち「難分解性」と「高蓄積性」については具体的な基準が数値で示されてお り、これが判断基準となりますが、「長距離移動性」に関しては 基準が示されていませんでした。

このため、環境省ではPOPsの長距離移動性に関する判断基準を作るとともに、POPsの規制基準となり得る化学物質 をいくつか選び、環境暴露モデルを用いその長距離移動性を分析します。その結果、判断基準より高かった物質について は、難分解性、高蓄積性、毒性の3判断基準と併せて、POPs条約の対象物質とすべきかどうかを検討するそうです。

 また欧州では、地域条約である長距離越境移動大気汚染条約のPOPs議定書に、現在、POPs条約の対象12物質に加え て、クロルデコン、ヘキサブロモビフェニル、ヘキサクロロシクロヘキサン、PAH(多環式芳香族化合物)の4項目が規制され ており、欧州側はこれらの物質をPOPs条約の規制対象に加えるよう要求することが予想されます。  

 資料:1月23日付 日本工業新聞、p. 15、
同日付 日経産業新聞、p. 11

分離分析課 伊藤 博  


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