日本化学工業協会(日化協)はPRTR対象物質 の環境リスクを簡易に評価するシステムを開発しました。まだ試行的な段階としていますが、2002年度早々にも使いた い企業を募り、勉強会をスタートさせるようです。
日化協では新エネルギー・産業技術綜合開発機構(NEDO)からの受託事業として2003年までの予定で化学物質の環境リ スクアセスメントシステム「化学物質評価システム」を構築中ですが、この中間段階の成果として、要望の強い「PRTR版 」を公にすることにしたものです。化学物質のリスクアセスメントを普及浸透させていくことも目的としています。 化学物質のリスクでは、各種の毒性評価データから物質のハザードを掌握し、これに暴露状態を考慮してリスクを判定 します。日化協が開発した「PRTR対象物質簡易評価システム」は、自社の排出量を入力するだけで、その物質のリスク 評価の結果が得られるというもの。評価基準はPEC(予測環境中濃度)とPNEC(予測無影響濃度)の比で判断され、これが1 以上だと健康影響などが大きいとして、暴露を下げる対策が必要となります。
化学物質のリスクアセスメントについては、各企業とも何らかの取り組みを進めているものの、本格的な対応ができる 企業はまだ少数と言われており、このため日化協では、評価システムの構築と併せてリスクアセスメントそのものへの理 解を深めることも重要として、セミナーなども開くことにするそうです。
今回のPRTR版については、要望の多いPRTR対象物質のリスク評価に役立てると同時に、勉強会に参加する企業にソフト を使用してもらい、システムの使い勝手などの検証をも進めたいそうです。
資料: 2月5日付 化学工業日報、 p.12
分離分析課 竪山 由美
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