環境省は平成12年度に国と地方公共団体が実施し た全国の地下水や河川・湖沼など公共用水域の調査結果をとりまとめました。それによると地下水では、調査対象井戸(4911本)の 8.1%(398本)において環境基準を超過する項目が見られ、1989(昭和64/平成元)年度以降で最高の超過率でした。一方、公共用水 域では、健康項目(測定地点5724地点)の達成率は99.2%で前年と同じでした。また生活環境項目(測定地点8518地点)の達成率は、 河川が82.4%(前年度81.5%)、湖沼が42.3%(前年度45.1%)、海域が75.3%(前年度74.5%)、全体では過去最高の79.4%(前年度 78.7%)でした。
項目別では、地下水については乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因物質のひとつとして危険性が指摘されている硝酸性窒素を 含む硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の超過率が6.1%と最も高く、次いで砒素が1.9%、ふっ素が0.8%と地下水の一層の強化が求めら れます。
一方、公共用水域では、健康項目については砒素が環境基準を超える地点数で最も多く16地点(前年22地点)、次いでふっ素が1 0地点(前年11地点)、鉛が8地点(前年7地点)でした。生活環境項目については河川(BOD)の環境基準の達成率は毎年わずかながら 上昇し、平成12年度は82.4%で4年連続過去最高となりました。湖沼(COD)の環境基準の達成率は、渇水の影響により水質が悪化 した平成6年度以降は40%前後で推移し、平成12年度では平成11年度を下回り、42.3%となっており、依然として達成率が低い状 況でした。海域(COD)の環境基準の達成率はの平成6年度以降は河口付近海域の水質悪化等により75%前後となり、平成12年度の 達成率は過去3年度と同程度の75.4%でした。
平成12年度の水質のベストワンは河川が北海道の歴舟川上流、湖沼は北海道の支笏湖でした。一方ワーストワンは、河川が香 川県の弁天川、湖沼が千葉県の手賀沼でした。
資料:
1月16日付 環境新聞 、p. 8
環境軽量課 竹下尚長
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