環境省は発がん性が指摘されている ガソリン添加剤、MTBE(メチル・ターシャリブチル・エーテル)の地下水汚染調査結果を公表しました。

今年2月から3月にかけて全国都市部のガソリンスタンド周辺の井戸(196ヶ所)を対象に調査を実施、このう ち 36 地点からMTBEが検出されましたが、その濃度は0.01〜1.5 μg/lの範囲と低く、同省では「大きな汚染の 存在は確認されなかった」としています。MTBEに関しては日本では指針値などは設定されていないものの、米国 での飲料水中の勧告濃度(20〜40 μg/l)と比較すると、 これを大きく下回る範囲に収まっていました。

また今回の調査では MTBE の分析と併せて、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの4物質について も分析しましたが、その検出率は 10〜14 %であり、それぞれの濃度は環境基準値や環境省が監視の目安として 定めている指針値などと比較して大きく下回っていたということです。

MTBEはオクタン価向上や一酸化炭素・炭化水素の排出抑制のために使用されているガソリン添加剤です。日 本では 91年8月からハイオクガソリンに使用されており、2000年度の使用量は約 17万 kl。なお日本国内に おけるMTBEの生産は今年度末までにすべて中止される見通しです。

資料:8月7日付 化学工業日報

分離分析課 竪山 由美


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