環境省では、2000年度から3年間 で内分泌撹乱作用が疑われている40以上の化学物質について、リスク評価を行うとしています。そのうち、 アメリカ産メダカやコイを用いて実施したノニルフェノール、トリブチルスズについての試験結果がまとめ られたので以下に示します。
ノニルフェノール:
・ 一般水域で見られる濃度(1リットル当り11.6μg)で雄のメダカに精巣卵(雌雄同体化の一種)が
出現することが世界で初めて確認された。
・ 女性ホルモン受容体と強い結合性を示す。
・生態影響のない濃度は1リットル当り0.6μgとしている(全国の一般水域の4.5%で超過)。
・ 工業用洗剤の原料として使用。代替品としては直鎖アルコールエトキシレート(ポリオキシエチレン
アルキルエーテルなど)がある。
・ 人への作用は弱いと考えられる。
トリブチルスズ:
・ 船底塗料などに使用。
・ 魚類に対する撹乱作用がないか、非常に弱いと考えられる。
ノニルフェノールについて、業界としてはすでに安全な界面活性剤への切替えを進めていますが、 汚染が目立つ地域では発生源を明確にして切替えを促進したいとしています。また、公共下水道の終末処 理場では、ノニルフェノールの 95% 以上が除去されるとのデータもあり、下水処理場の整備にも期待されます。
資料:8月6日付 化学工業日報、日刊工業新聞、日本工業新聞
環境技術課 坂田 旭子
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