環境省は、廃棄物の定義と廃棄物の区分を見直 す廃棄物処理法の改正に乗り出します。廃棄物の定義が曖昧なため、ごみを再利用できる資源と偽 って不法投棄する事例があとを立たないことなどから法改正に踏み切るものです。

 廃棄物処理法によると廃棄物の定義は「汚物又は不要物」で、リサイクル資源などの有価物は 「廃棄物でないもの」と規定しています。このため、実質的に廃棄物の不法投棄であっても、事 業者が「資源」と主張すれば、法律の適用外になってしまいます。香川県豊島の産廃不法投棄は その代表例です。

 見直し作業では、まず事業者の主観で「資源」と言い逃れができないように、廃棄物の定義の 中に「客観基準」を明示する文言を入れます。一方で、再利用できるリサイクル資源などは廃棄 物の対象から外す案も検討することになりそうです。

 また廃棄物区分の見直しでは、現行法は処理責任について「一般廃棄物は地方自冶体、産業廃 棄物は排出事業者」と規定しています。この中で、一般廃棄物は「自区内処理」が原則であるも のの、廃棄物収集の広域化の進展を背景に、その自区内処理が適さなくなっている「事業系一般 廃棄物」が焦点の見直しとなります。事業者が排出する廃棄物のうち、産業廃棄物に指定される 品目以外の紙ごみなどが事業系一般廃棄物。自冶体に処理をまかせず排出事業者に責任を負わせ る観点から法改正し、新たに「第3区分」を設けるか、政令指定でこれを産業廃棄物に区分し直 すなどの案」が有力になりそうです。  

 資料:2月7日付 日本工業新聞

環境分析センター 石澤 牧子  


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