厚生省(現厚生労働省)は、 平成12年12月26日「水道水質に関する基準の制定について」を一部改正し通知しました。 今回の改正は、水道水中の残留塩素の検査方法について以前から議論されていたもので、 現在最も一般的な方法として行われているオルトトリジン法が廃止となり、新たに吸光光度 法が追加されたものです。

 水道水中の残留塩素の検査方法としては、現在オルトトリジン法(OT法)、ジエチル-p- フェニレンジアミン法(DPD法)、電流法とされており、中でもOT法は操作が簡単かつ安 価なことから多くの機関で使用されています。しかし、オルトトリジンは発がん性物質と して以前からその作業方法が論じられており、平成12年3月に「PRTR法」で排出量等の届 出を対象とする第一種指定化学物質とされ、また9月には化審法でも生分解性の低いもの として指定化学物質に指定されています。欧米ではすでにOT法の使用が廃止されています が、水道水の検査で使用する場合には、極希薄な溶液を用い、なおかつ塩素と反応して分 解されることなどから国内では依然使用され続けていました。そこで厚生省では、毒性に 関する知見の収集や代替法の検討を進め、安全性の面からも今回の削除を決定すると共に、 残留塩素の測定が可能な吸光光度法を追加したものです。

 オルトトリジン法の削除については経過措置を設け、平成14年4月1日からとなります。

資料:平成12年12月26日付 厚生省生活衛生局発都道府県知事宛通知第1876号
平成13年 1月11日付 日本水道新聞

衛生検査課 松本かおり


コンテナ・記事目次へ


Copyright (C) Naitoh Environmental Science Co., Ltd.
webmaster@knights.co.jp