富士通 は土地購入の際に土壌や地下水の汚染状況の評価を義務付ける社内規定を策 定しました。海外を含むグループ会社が新たに購入する土地や購入済の未使 用地に適用されます。不確実だった評価基準や調査手順を明確にし、将来発 生する可能性のある浄化費用や住民補償などのリスクを回避するのがねらい です。東芝、セイコーエプソンなど電機大手では有機塩素系溶剤による土壌 ・地下水汚染がここ数年相次いで発覚、土壌汚染が経営問題として注目を集 めており、富士通はグループぐるみで取り組みます。
同社が作成した社内規定によると、用地を新たに購入するグループ企業は まず環境庁の「土壌・地下水にかかわる調査・対策運用基準」に基づいて、 売却先に土壌・地下水の調査を要求します。調査結果は、富士通の環境管理 部が外部の専門調査機関などの協力を得て再評価します。調査の手順や対象 物質の分析などが環境庁の運用基準に沿って適正に実施されたかどうかを確 認した上で、用地汚染の有無や度合いを判定、最終的に購入するかどうかを 決めます。
住友海上リスク総合研究所の試算では、土壌調査が望まれる場所は全国 で40万ヶ所に達すると見られています。環境庁の外部団体である土壌環境 センターの推定では、全国の土壌汚染対策費用は13兆円を超え、金融機関 は取引先が所有する不動産の土壌汚染状況を投融資審査の要件として重視 し始めています。
資料: 7月22日付 日本経済新聞
環境分析センター 石澤 牧子
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