環境庁 は、湖沼などの閉鎖性水域における富栄養化対策の一環として、生活排水な どの汚水を自然の力を用いて浄化する水質環境改善技術の開発に着手しまし た。

 従来の浄化法に、リン成分を樹木などにより吸収する自然浄化機能を組み 合わせ,省エネルギーで維持管理が容易なシステムを構築するため、国立環 境研究所が今年度からシステム構築に向けた調査研究を開始するそうです。  閉鎖性水域の富栄養化は、悪臭や赤潮の発生といった問題のほか、リンに 起因して発生するミクロキスチスという毒アオコは青酸カリより強い毒性を 持つ物質を発生させるなどの生物や人体への影響が懸念され、これを防ぐこ とは緊急の課題になっています。

 富栄養化対策としては、排水規制の強化のほか、水質悪化の著しい湖沼に おいては低泥浚渫や、流入河川に浄化施設を導入するなどの施策を進めてい るが、コスト高が難点だそうです。またヨシなどを植生して自然浄化する方 法などもとられていますが、効果が上がらないようです。

 環境庁が開発を進めるのは、閉鎖性水域に流入する生活排水や工場排水 を浄化する技術で、従来の浄化法にリン成分を吸収する自然浄化機能を組 み合わせ、成長した樹木も資源として再利用するというものです。日本国 内だけではなく水質の悪化に悩むアジア地域の途上国においても適用でき るシステムの開発をめざすそうです。

 今年度は生活系・事業系からの水質汚濁物質の発生負荷量のデータの収 集、分析を行うとともに、省エネ型・省維持管理型の水環境改善システム のあり方について解析・評価を行うようです。

資料: 平成12年5月11日付 化学工業日報

  環境計量課  竹下  尚長 


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