欧州連合(EU)の行政 機関である欧州委員会はすべての電気・電子製品の廃品回収・再利用をメー カーに義務付ける方針を決めました。欧州委員会が作成した「電気・電子製 品廃品法案」によると、EU加盟15ヶ国で販売された家庭電化製品、コンピ ュータ、自動販売機などほぼすべての電気・電子製品が対象になります。製 品をプラスチック、金属など素材別に分類し、再利用するリサイクル率の下 限は冷蔵庫など大型家電が90%、小型は70%など製品によって70〜90%とし ます。

 EU案はメーカーが回収・分類・再利用を手がけることが原則となります。 地方自冶体が回収する仕組みがある国では、同制度を家庭からの廃品に限り 活用できるとしています。日本のリサイクル法は経費の負担を消費者に求め るが、EU案は全額メーカー負担で、法令施行前に販売した製品も対象にな ります。水銀や鉛の有害物質の製品への使用も同時に禁止されます。 日本企業はEU向けにビデオ機器などの電気・電子製品を年間3兆円以上輸 出、現地生産や東南アジアなどからの輸出も加えるとさらに額が膨らむだけ に大きな負担を強いられます。

 閣僚理事会などの合意が得られれば、2001年にEU法令として施行されE U加盟各国に通知され、各国は同法令を2003年までに国内法に反映させる段 取りとなります。  

 資料: 平成12年2月18日付 日本経済新聞夕刊 

 環境分析センター 石澤 牧子  


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