中央環境審議会環境保健部会 は、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促 進に関する法律)の対象となる物質の選定のための審議を7月30日からスタート し、また同部会内に、物質選定に関する専門委員会を設置しました。
PRTR法では、政令で定めることとなっている第1種指定物質(届け出と MSDSの両方の義務)と、第2種指定物質(MSDSのみ義務)を選定する 必要があり、届け出対象物質(第1種指定物質)の数は、200〜300程度とみら れており、すでに環境庁と通産省では、候補物質の検討を進めているとみられ ています。
選定については、PRTR法案の国会審議でも大きな焦点となっていたいわ ゆる環境ホルモンを対象物質に選定されるか否かがポイントとなっています。 環境庁と通産省では、あくまで明確な科学的知見が集積されてから対象とする 方針ですが、環境ホルモンとして疑わしいとされている約70物質のうち、25物 質程度が選定される可能性も出ています。
一方、化学メーカーの排出・移動量の届け出に関する負担を最小限に止める 必要も指摘されており、対象物質の選定は今後大きな焦点となる可能性が出て 来ました。
クロマト研究課 田沼 祐樹
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