埼玉県大気水質課は、 このほど昨年度の県内地下水水質測定の結果を発表しました。過去に汚染物 質が環境基準を超えたことのない167本の井戸を測定したうち、2本でト リクロロエチレン、別の2本でヒ素が基準を超過しました。また、過去に汚 染が確認された井戸の定期モニタリング調査では、43本測定したうち25本で 環境基準を超過しました。

 トリクロロエチレンは、環境基準値が0.03mg/Lのところ、所沢市久米で0.04 4mg/L、入間市仏子で0.031mg/Lを検出しました。ヒ素は、基準値が0.01mg/ Lのところ、北埼玉郡北川辺町栄で0.020mg/L、北足立郡吹上町三町免で0.0 18mg/Lでした。

県は、基準を超過した井戸周辺でトリクロロエチレンを扱っている事業所 に立入調査しましたが、汚染源は把握できなかったとしています。また、ヒ 素は周辺に取扱事業所がなく、土壌中にも存在する元素であることから、自 然地下水に溶出したものと推定しています。

 定期モニタリング調査ではトリクロロエチレンなど3物質について33本、 ヒ素8本、鉛1本、六価クロム1本で基準を超えました。この調査の対象と なっている井戸のうち、1996年度に基準の140倍に当る4.2mg/Lのトリクロ ロエチレンを検出し、今回も2.1mg/Lであった深谷市折之口は県のクリーン アップ事業で汚染源が特定され、汚染事業者が浄化対策を実施することにな っていますが、その他の井戸は汚染源が判っていません。

資料:平成11年9月9日付 埼玉新聞

                分離分析課 加藤 美枝


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