環境庁は、有害大気汚染物質対策を着実に実施するため、ベンゼン、トリクロ ロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質に続いて大気環境基準の設定に向 けた検討を進めます。現在までに検討の対象となっている物質は、比較的デー タがあって健康影響評価などが進んでいるアクリロニトリル、塩化ビニルモノ マー、ヒ素とその化合物、水銀とその化合物など数物質があり、これらの中か ら順次環境基準が設定される可能性が濃厚です。

 また、ダイオキシン類の扱いも注目点となっています。ダイオキシン類の暴 露経路としては、大気から直接暴露するのが1割前後、その他のほとんどは食物 が占めるということです。健康保護という環境基準の主旨に照らし、大気につ いてどのような値を設定すれば、最終的に人が暴露するダイオキシンをどの程 度抑えられるか、判断が非常に難しいということです。同庁が別途設置した検討 会が、この取扱いについて取りまとめを急いでいる最終報告を受け、さらに詰め の議論を行う予定です。しかし検討会報告でも具体的な値の提示は難しく、目 標値の考え方の整理にとどまる可能性が高いということです。
 

資料: 化学工業日報, 平成9年4月9日号

クロマト研究室 高橋



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