環境省は、重金属や揮発性有機化合物(VOC)など土壌 汚染の原因物質を人が直接摂取する場合の基準値、浄化技術に関する技術基準を策定します。土壌汚染対 策法が今国会で成立したのを受け7月2日に中央環境審議会(環境相の諮問機関)に専門委員会を設置し、 今秋をめどに基準を決め、省令で定めたものです。積残しの検討課題だった基準値と技術基準を策定し、来 年1月1日の同法施行に備えます。

同法は人が直ちに汚染土壌を触ったり、摂取したりした際の健康被害と、汚染物質による地下水汚染 を防ぐのを目的としています。地下水汚染の環境基準は26物質について設けられていますが、直接摂取 ・接触は基準値がなく、新たに設定されます。併せて、汚染土壌の封じ込め、浄化、暴露管理技術の基準 も定めます。

直接摂取で基準値の設定が検討されるのは、水銀、 カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、フッ素、ホウ素、セレン、シアンの9物質となる見通しです。

一方、技術基準では、 @汚染土壌を掘り返し、浄化処理後、その土で埋め戻す、A同様の処理後 非汚染土壌で埋め戻す、B汚染土壌を掘削せずに、化学処理などで汚染物質の濃度を下げる−などの 実施方法について、細かな基準を決めてゆきます。このほか、封じ込め対策、定期的な地下水の水質測 定方法(暴露管理)、汚染物質についての分析方法などについても国の基準を定めます。

同法では有害物質を扱う工場が廃業したり用途変更した際、汚染原因者や土地所有者に汚染調 査や汚染土壌の浄化を義務付けています。

資料:6月28日付 日本工業新聞、 p. 1

元素分析課 岡田 伸美





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