環境省の「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」は、有害化学物質による汚染の疑いが ある土地について、土地所有者などに対する調査と、浄化の義務付けを盛り込んだ土壌汚染対策に関 する中間報告をまとめました。11月にもこれを中央審議会に諮問し、来年早々の答申を受けて次期 通常国会へ「土壌汚染対策法案」(仮称)を提出するものです。
中間報告の要旨として、管理すべき土壌汚染による環境リスクとしては、@汚染された土壌を 直接摂取することによる人の健康に対するリスク、A地下水等の汚染を経由して生ずる人の健康等 に対するリスクを対象とするもの。
汚染実態の調査義務は、@有害物質を取り扱う事業所の廃止または用途変更時等の敷地、A住 宅用地に転用する一定規模以上の土地、B近隣を含め地下水汚染が発見され土壌汚染が疑われる土地 、の3種のケースがあり、次に土壌汚染調査により改善の必要がある場合、都道府県は台帳に「リスク 管理地」として登録し(台帳は公開)、浄化された場合は登録を解除されます。土壌の改善は原則とし て土地所有者とされます。ただし、汚染原因者が判明したり、原因者と土地所有者の調整がつけば、 原因者が措置を実施するものとされます。
土壌の改善策として、@リスク管理地への立入りの制限および土壌汚染の飛散・流出の防止、A土 砂等による覆土、アスファルト等による舗装または不溶化・固形化の処理等を行った上での汚染土壌 の封じ込め、B汚染土壌の浄化。
なお地下水への溶出においては、定期的なモニタリングの実施をあげています。土地所有者は 適切な改善策を選び、改善計画を策定のうえ実施するとしています。国は低利融資、税制上の措置、 関連機材の貸付け等の支援措置を検討することが必要とされます。
資料: 9月28日付 環境省HP(環境管理局)
9月29日付 日経産業新聞、埼玉新聞
10月1日付 日本工業新聞、日刊工業新聞、化学工業日報
元素分析課 岡田 光代
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