環境省の「土壌の含有量リスク評価検討会」では、これまで 汚染土壌の直接摂取によるリスクについて検討してきました。土壌の環境基準では、地下水汚染防止のための溶出基 準が定められていますが、土壌中有害物質の暴露経路は飲み水として摂取する以外に口や皮膚からの直接摂取も考え られるため、そのリスク評価が行われてきました。今回その結果がまとめられたので紹介します。
要措置レベルを算定したのは、溶出基準が定められている26物質のうち重金属類の9物質です。物質ごとの要措置 レベル(土壌1 kg当りの含有量)は次の通りです。
@総水銀: 30 mg, 20 mg, 9 mg
※総水銀については算定方法が複数あるため、それぞれについての結果を示す。
Aカドミウム: 150 mg(暫定)
B鉛: 150 mg
Cヒ素: 150 mg
D六価クロム: 900 mg
Eフッ素: 10000 mg
Fホウ素: 4000 mg
Gセレン: 150 mg
H全シアンまたはシアン化合物: 350 mg
トリクロロエチレン、ベンゼンなどの揮発性有機化合物やシマジン、チウラムなどの農薬類は、長期間土 壌中に高濃度で蓄積されることが考えられないため、要措置レベル算定の対象から除外されました。また、 PCBはダイオキシン類として調査を行い、必要な措置を講じれば良いことから同様に除外されています。
資料:8月6日付 化学工業日報
環境技術課 坂田 旭子
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