自民, 自由,公明の与党3党は、11月29日に開会された臨時国会会期中の今月中旬に もプロジェクトチームを開き、「循環型社会基本法案」(仮称)の実質的な検討 に入りました。今後の循環型社会構築に関する理念や進むべき方向、各主体の 役割分担と基本的な責務を盛り込む予定です。併せて再生資源利用促進法(リ サイクル法)を抜本改正し、従来のリサイクル(再資源化)の取組みの充実に加 え、リデュース(製品の発生抑制)やリユース(製品・部品の再利用)対策を 進めることにより、廃棄物の最終処分量の極小化を図ります。両法案の提出時 期は2000年3月の次期通常国会でと確定しました。

 また資源の再利用や廃棄物の減量化に関する法律については、現行では容器 包装リサイクル法や家電リサイクル法などが制定されており、農水省や建設省 も食品や建設廃棄物のリサイクル法案の提出を検討中です。循環社会基本法案 は、各省庁ごとの個別のリサイクル法を束ねる包括法として位置づけられます。 具体的には、個別の法律や計画で明記している数値目標の達成状況を点検する 政策評価手続きを導入し、透明性を高めるとしています。

 一方、循環型社会の構築に向けたプロジェクトチームが発足したことを受 け、関係省庁による「循環型社会の構築に関する関係省庁連絡会議」が設置 され、11月25日に第1回会合が開かれました。具体的には廃棄物・リサイクル 対策を中心に、化学物質対策、エネルギー問題、農業関係、都市問題、税制 度など幅広い分野となる見込みです。

 また循環型社会をめざした企業経営と題して地球環境経済人サミットが 11月5日、日本経済新聞社主催で行われました。そこでスウェーデンの環境 保護団体ナチュラルステップのカール・ヘンリク・ローベル代表が基調講演 し、環境保全と持続可能な経済発展を両立させる戦略づくりの重要性を訴え、 企業や行政は環境保全活動の指針となる「基本原則」の枠組みを明確に打ち出 すべきだとしました。具体的には、@地殻から掘り出す物質の量をいたずら に増やさない、A自然循環の中で分解しにくい化学物質の量を増やさない、 B乱獲や他の自然破壊行為によって生態系を損わない、C資源は地球規模で 公平に活用する・・の4点です。

資料:平成11年11月3日付 環境新聞
平成11年11月26日付 日本経済新聞
平成11年11月29日付 化学工業日報
平成11年12月1日付 日刊工業新聞

環境計量課 竹下 尚長


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