環境 庁は、全国のダム湖を中心とする100 以上の湖を対象に、窒素やリンについて 排水規制することを決めました。新たにリンの規制がかかるのは、荒川貯水池 (埼玉県)、阿木川ダム貯水池(岐阜県)、長谷ダム貯水池(兵庫県)など136の 湖沼で、窒素は、長沼ダム貯水池(宮城県)、時雨ダム貯水池(東京都)、 天理ダム貯水池(奈良県)など124湖沼です。 国の排水基準値は、窒素が1L当 たり120 mg、リンは同16 mg。これで窒素の規制対象となる湖沼は201、リンは 同1,200 になります。

 環境基準はこれまでダム湖は河川の基準が用いられ、生物化学的酸素要求量 (BOD)が設定されていましたが、これでは、富栄養化を測る指標とはならな いため、ある程度、富栄養化を測る指標となる化学的酸素要求量(COD)を用 いる湖の環境基準を適用することになりました。

 また、弥栄ダム(広島県、山口県)、深山ダム(栃木県)、土師ダム(広島県)、 佐久間ダム(静岡県、愛知県)、早明浦ダム(高知県)など約30ダム湖についても 、2002年までに従来の川の環境基準をやめ、湖の環境基準を適用することにな りました。これらの多くは現在のBODの現状基準を達成しておらず、CODの現状 基準の適用で、より厳しい環境対策が自治体などに求められることになります 。

                           

 資料:朝日新聞、6月29日号

化学分析課 中瀬


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