生殖能異常や発育異常の原因物質として内分泌撹乱化学物質
(環境ホルモン)が問題となっています。環境庁では、この問題への対策を
検討するため研究班を設けており、厚生省でも平成14年度までをめどに人へ
の環境影響調査、作用メカニズムの解明、試験方法や評価方法の検討などの
推進を予定しています。さらに、本年3月には、食品衛生調査会毒性・器具容
器包装合同部会でポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルの内分泌
撹乱作用という観点からの安全性の検討を始めています。
海外では米国環境保護庁が内分泌撹乱物質スクリーニングと検査の方法に
関する諮問委員会の報告書(案)を本年2月に公表しています。また、英国環
境庁でも、本年1月に環境中への排出量を削減するため、危惧される化学物質
を含む製品の製造中止および代替製品の開発を工業界に要請しています。
我が国はこの問題への対応が欧米より数年遅れていますが、我々の暴露量
が諸外国と比較して少ないはずはないため、今後、諸外国の検討成果をふまえ
ての早急な対応が見込まれます。
資料; 化学物質と環境 No.28 (1998.3,エコケミストリー研究会)
技術開発課 大高
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