農薬の生殖毒性評価に指針−環境庁
環境庁は98年度から、人間の生殖能力に対する農薬の毒性評価試験の
ガイドライン(指針)作成に着手します。農薬は、野生生物の内分泌を
撹乱し、繁殖力の低下や、生殖能力に深刻な障害を引き起こすことが知
られています。人間にも同様の影響がある可能性が指摘されていますが
、その毒性評価法はまだ確立されていません。
農薬の毒性についてはこれまで、農薬取締法に基づく登録の際に、
繁殖試験など各種毒性試験成績が提出され、安全性を評価しています。
しかし、内分泌系への詳細な影響については、評価が困難であることから
踏み込んでいないのが現状です。このため、2002年をめどに乳幼児から成
人までを対象にした農薬の生殖毒性の総合評価体系を構築するということ
です。
内分泌撹乱毒性のうち、特に生物の繁殖力や催奇性、発達神経毒性の
試験を対象に、ガイドラインを改定または新規に開発し、その有効性を
検証します。
既に内分泌撹乱毒性の可能性が指摘されている農薬については早急に
短期毒性試験を実施、撹乱性の有無や程度を調査・分析し、情報を整備し
ます。また、内分泌系の感受性が成人とは異なる乳幼児などへの影響に
ついても、より正確な毒性評価ができるよう配慮、農薬の総合的な安全性
評価システムを構築してゆきたい考えです。
資料:日本工業新聞 、平成9年9月30日号
クロマト研究室 高橋
コンテナ・記事目次へ
Copyright (C) Naitoh Environmental Science Co., Ltd.
webmaster@knights.co.jp