「シックハウス」を実地研究へ
通産省は、建材などから発生する有害な化学物質についてのデータ収集と対策
技術を開発するため、「室内環境汚染対策調査」に着手しました。新築住宅など
では、有害化学物質を含む建材の使用や室内の高機密化などが要因となり、頭
痛など身体への悪影響を引き起こす「シックハウス症候群」ともいわれる「化学
物質過敏症」が発症するとの指摘があります。このため、実際の住宅などを使
いながら室内環境汚染について調査・研究し、メーカーや消費者などに注意・
安全情報を提供します。
調査の期間は2年を予定し、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材
防腐剤、防蟻剤、可塑剤の6化学物質を対象に調査します。
調査・研究初年度は実態の把握のため、壁紙や繊維板などの建材から揮発・
発散する化学物質の種類や量について調べるとともに、温度や経時変化、室内
の挙動などについてもデータを集めます。測定にあたっては、試験室での実験
のほか、実際の住宅に調査機械を持ち込んだ実大実験も実施します。
2年目は調査データをもとに、有害化学物質を低減化した建材の開発や吸着
換気システムの考案、分解・除去剤の研究といった対策技術について取り組み
、室内環境汚染問題の解決を図ります。
資料: 日刊工業新聞、平成9年7月12日号
クロマト研究室 高橋
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