環境省の産業廃棄物処 理業者格付け手法検討調査委員会はこのほど、その報告書をまとめました。その中で、許可 や廃棄物の保管状況、情報公開など9項目からなるチェックリストに基づき数量評価する格 付けモデル案を提案。処理業者を対象に試行した実地検証の結果、この手法は一定の客観 性が保たれているとしました。報告書では、今回の調査検討を契機に産廃処理業者の格付 けが新たなビジネスとして早期に実現することを期待しています。

 報告書によると、 対象とする格付けを「排出事業者が委託した廃棄物処理について、排出 事業者が被るリスクの大きさを、処理業者の諸状況を評価しその結果を数量化し、 排出事業 者に情報として提供するもの」と位置づけ、そのモデル構築の基礎データの収集を主眼と しています。今後の発展的利用を可能にするため、最低限必要なチェック項目のみを設定。  リスク評価の具体的なチェック項目は、

@許可状況(業許可・施設設置許可等)、 A立地、 B施設・設備(仕様・運用状況)、 C廃棄 物の保管状況(受入時・処理後)、 D残渣・有価物の処理・販売ルート等、E事務処理の状況 (マニフェスト・契約書)、F従業員の状況、G情報公開、H処理能力、 の9種類あり、 外形的判断に基づく○×評価ができるよう必要に応じて各項目に調整を加 えています。

 具体的なチェック表を建設系廃棄物で3種類(収集運搬業者用、破砕選別業者用、埋立処分 業者用)、医療系廃棄物で2種類(収集運搬業者用、焼却処分業者用)を作成、実際に12社の処 理業者を対象に評価試行。その結果、いくつかの課題はあるものの、状況の外形的な判断 を重視したチェック表により、複数の調査員の評価結果はおおむね一致し、 この評価手法は 一定の客観性が保たれたとしています。


資料:10月23日付 環境新聞、 1面

環境分析センター 石澤 牧子


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