1)シックハウス対策で憲章―日本建築学会
日本建築学会はシックハウス症候群対策の基本となる「清浄空気・建築憲章」を制定、3年後を
めどに具体策を詰めるということです。シックハウス症候群については一般の関心が高く、国民
生活センターへの相談件数が近年増加しています。この憲章によると、同学会は、
・内装材や家具が発する有害化学物質の室内濃度を抑える効率的な換気システムを提案、設計
支援をする。
・化学物質を出さない建材の開発も支援、安全性を格付けしてはっきり判るようにする。
・ダニやホコリによる健康被害の対策も検討する。
などを掲げています。
また、厚生労働省などで定める原因化学物質の濃度基準改定も提案されています。 同省が基準を定めていないジクロロメタンなどについても対応を検討しているようです。
資料: 5月29日付 日経産業新聞、 p.13
分離分析課 高橋真朋子
2)学校シックハウス調査―文部科学省
文部科学省は20日までに学校でのシックハウス症候群の本格的調査を行います。 これは、学校現場で「目がチカチカする」、「気分が悪くなる」などの症状を訴える生徒が増えて いることからで、近々、環境医学や建築工学の専門家らによる協力者会議を設置します。
シックハウス症候群は、「中毒症」と「過敏症」とに分けられます。
・ 中毒症: 有害物質の室内濃度が一定基準を超えれば、誰にでも症状が現れる。
・ 過敏症: わずかな濃度でも症状が現れる。
今回の調査では、「過敏症」が対象となります。
その原因としては、次のようなものが挙げられます:
・ 建材に使用されるホルムアルデヒド
・ 塗料に含まれるトルエン
・ 床のワックス
・ 教科書のインク
その症状は改築後の校舎で目立っていますが、過敏症については詳細実態が把握され
ておらず、診断基準も定められていません。そこで、協力者会議では、事例の把握・サ
ンプル数などの調査方法を確立し、調査準備に入る予定です。
文部科学省によると、昭和40年を中心に生徒の急増で建築された校舎が相次いで建 て替え時期を迎えており、平成13年には全国公立小中学校で補助対象となった校舎の改 築工事は約700件にのぼっています。また、同省は「学校環境衛生の基準」を一部改正し、 ホルムアルデヒドやトルエンなど4項目について判定基準を定めています。
資料: 7月 17日付 化学工業日報 p. 2;
日本工業新聞 p.10
7月 21日付 産経新聞
環境技術課 坂田 旭子
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