DDT、アルドリンなど1970年前後に販売中止となった有機塩素系農薬が、 判明しただけでも31道府県で174ヶ所、計約3680トンもが地中に埋められたままになっていることが、農林水産省の調査によっ て明らかになりました。

これらの農薬は自然界で分解しにくく、生体内に蓄積されやすい有害物質で、同省は12月6日にこれらのすべての埋設場所で 水質や土壌調査を実施し、無害化処理が終了するまで定期点検を続けるよう関係機関に通知しました。また環境汚染のおそれが ある場合は農薬を掘り出し、漏洩や盗難のないよう保管を徹底するよう指示しています。同省が確認した有機塩素系農薬はこれ らのほかに、土中からすでに掘り出されて保管されている約46トン、無害化などの処分済み分が約984トンありました。

有機塩素系農薬は70年前後に相次いで規制されるようになり、当時適切な処理技術がなく、農林省(現農水省)は71年に余っ た農薬を分散して埋めるよう指導し、それ以来埋められたままになっていました。しかし、昨年5月にPCBやダイオキシン類など の12の残留性有機汚染物質の使用・生産・排出を規制するストックホルム条約が採択され、2004年までに50カ国以上の批准を集 めて発行を目指すことが決まり、日本も批准に向けて、同省と環境省とでこれらの農薬を安全に無害化する技術の確立を急いで います。  

 資料:2001年12月7日付 YAHOO JPN NEWS ON-LINE [読売新聞社会面]

分離分析課 金子 圭介  


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