厚生省は、平成12年12月21日、12年度第2回(平成12年7月〜9月)の合併処理浄化槽新設率をまとめま した。それによれば、12年9月末の新設率は77.1%で、前年度末より11.3ポイント上昇、新設される浄 化槽の3/4以上が合併処理浄化槽となったことを示します。山梨県が36.9ポイント上昇の 82.4%と大 幅に上昇したほか、21県が10ポイント以上上昇しています。一方、沖縄県など3県は依然低迷、地域格 差がさらに拡大しているのがわかります。

浄化槽は、建築基準法施行令の改正で平成12年12月1日から旧構造基準に基づく単独処理浄化槽が すべて設置できなくなりました。また、浄化槽法の改正で平成13年4月1日以降は単独処理浄化槽の 設置が原則として禁止されるなど、合併処理浄化槽が主体の制度に移行しつつあります。

合併処理浄化槽の新設率は昭和63年度にわずか1.9%だったのに対し、この年スタートした合併処 理浄化槽設置整備事業が劇的な効果を上げ平成元年度に10.0%と大幅に上昇したものです。その後は 設置整備事業の拡大を背景に順調に上昇、平成11年度には65.8%と新設される浄化槽のほぼ2/3が合併 処理浄化槽となりました。

平成12年度は、第1回目(第1四半期=12年4〜6月)に前年度末より9.1ポイント上昇の74.9%と 70%の大台に乗せ、第2回目はさらに4.4ポイント上昇して79.3%となり、9月末の新設率は前年度 末より11.3ポイント上昇の77.1%となりました。

前年度末から新設率が最も上昇したのは山梨県の36.9ポイント上昇で、以下、富山県の27.9ポイン ト上昇、鳥取県の26.9ポイント上昇、宮城県の25.0ポイント上昇、愛媛県の24.9ポイント上昇などの 順で続いており、21県が10ポイント以上上昇しました。新設率が下降したのは島根県の0.9ポイント だけでした。

都道府県別では、岐阜県が11年度第2四半期に新設率100%を実現し、滋賀県が12年度第1回に100% となり、第2回も100%を維持しています。以下、京都府の99.7%、長野県の98.6%、岩手県の98.9%な どの順で続いており、16府県が90%以上に達しています。

また、新設率の80%以上は28都道府県となり、半数以上の都道府県で新設される浄化槽がほぼ合併 処理浄化槽となっています。

一方、設置率が低いのは沖縄県の13.5%、青森県の22.5%、新潟県の22.8%で、これら3県は下 から4番目に低い奈良県の 52.4%より格段に低く、 浄化槽の合併処理化から完全に取り残されてい る格好です。

資料: 平成13年1月16日付 設備産業新聞

環境調査課 関根 利康


コンテナ・記事目次へ


Copyright (C) Naitoh Environmental Science Co., Ltd.
webmaster@knights.co.jp