中央環境審議会は、「今後の有害汚染物質のあり方について(第6次報告)」をまとめ、環境庁長官 に答申しました。有害大気汚染対策は97年度に導入され、その一環として大気環境モニタリング、 事業者の自主管理による排出量削減がスタートしました。自主管理については、3年間で 41% と当 初目標の 30% を上回り、大きな成果を挙げたとこれまでの業界の取組みを評価する一方で、ベン ゼンについては依然として全国の測定地点の 23% で環境基準を超過しており、高濃度地域を対象と する新たな自主管理の実施を提言しました。実施に当っては事業者が単独または共同で排出抑制計画 を策定、その成果を公表するとともに、地方公共団体や国による評価(毎年実施)、地域住民とのリス クコミュニケーションを行うということです。また実施から3年をめどに効果を評価、必要に応じて 見直しを実施するとしました。

 さらに、使用量が多く広範囲の大気中から検出されているジクロロメタンにも環境基準の設定を求 め、指針値として 0.15 mg/m3 を提案しました。設定に当っては、人の発がん性の可能性は完全に除 外できないものの、その可能性は小さいことから発がん性以外の毒性に関するデータを基本に指針を 定めることが妥当としています。

 環境庁は同答申を受け、有害大気汚染物質の新たな排出抑制策を具体化するとともに、ジクロロメ タンの環境基準設定に関する告示の手続きを進めるということです。

資料: 平成12年12月22日付 化学工業日報

分離分析課 高橋真朋子


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