厚生省はこのほど合併処理浄化槽などによる汚水処理施設の整備を効率的 にするめるための「生活排水処理施設整備計画策定マニュアル」をまとめ、 各都道府県に通知しました。マニュアルでは合併処理浄化槽による個別処理 と、下水道などによる集合処理との経済性比較の手法を示し、どちらを選択 するかに当って参考となる「ゾーニング」の考え方を紹介しています。厚生 省はマニュアルの解説版も作成し、平成12年度中に市町村の担当者を対象に 研修会を開催する予定です。

 生活排水処理施設整備計画策定マニュアルは、市町村が生活排水の個別処 理である合併処理浄化槽、集合処理である下水道、農業集落排水施設を地域 の実情に応じて採用し、効率的に事業を進める手法を明かにするもの。合併 処理浄化槽の整備手法を盛り込んだマニュアルは初めてです。

 マニュアルの作成に当っては厚生省・建設省・農林水産省がそれぞれの施 設の経済性を統一的に比較できるよう調整し、建設費・維持管理費を明確化 するとともに、耐用年数についても合意しています。建設省、農林水産省も それぞれの施設整備マニュアルを見直すとしています。また厚生省は平成12 年度の補正予算要求でマニュアルの解説版作成と市町村の浄化槽行政担当を 対象とする研修会開催の予算を計上しており、12月中に解説版を作成し、平 成13年1月から3月にかけて全国ブロック単位で研修会を開催する予定です。

マニュアルでは3省の合意に基づく合併処理浄化槽、下水道、農業集落 排水施設の事業概算、それぞれを比較検討しながら施設整備の基本構想を策 定する作業に必要な基礎試料を示すとともに、具体的な整備計画を定めるた めの基本的道筋を明らかにしています。経済性比較の手法としては個別処 理、集合処理の際のよう家屋間限界距離を算出して線引きする「ゾーニング 」の手法を紹介しています。

 家屋間限界距離とは、個別処理と集合処理の経済分岐点を家屋と家屋の距 離として表現するもので、この距離以上離れた家屋を管渠で繋いで集合処理 する場合は個別処理より非効率となることを意味するもの。管渠は一般的に 道路下に設置することから、地図の情報でゾーニングできるものです。具体 的には各施設の建設費、維持管理費、耐用年数に基づき算出することとして おり、3省の合意に基づき家屋間限界距離の算出結果を示しているほか、精 度を高めるため必要となるさらに詳細な浄化槽の耐用年数、下水道管渠の維 持管理費などを参考資料として掲載しています。

資料: 11月14日付 設備産業新聞

環境調査課 関根 利康


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