1979年 から92年までの14年間で86例しかなかったレジオネラ症が昨年4月以降の1 年半で約200例に達しました。レジオネラ症は肺炎や風邪に似た症状を起こ し、その感染源としては空調施設の冷却塔があげられていました。しかし、 昨年からの厚生省感染症発生動向調査によると、温泉・公共入浴施設・24時 間風呂が感染源の大半を占めることが明らかになりました。また、季節変動 がはっきりせず、年中発生するという特徴も浮かび上がってきました。
最近では大型入浴施設が人気を集め、病院や老人ホームなど福祉施設にも 循環式風呂が目立つようになりました。家庭用24時間風呂も含め、これらは 微生物を利用した浄化法が開発されて普及してきました。しかし、微生物が あか(垢)など不純物を分解する仕組みはレジオネラ菌が寄生するアメーバを 増やしてしまいます。また、気泡を出す方式や打たせ湯などは菌をまき散ら し、人が吸入しやすい状況を作っています。利便性を求める一方で、不十分 な殺菌や清掃、水の交換不足などによりレジオネラ菌が増殖しています。
厚生省は昨年出した指針で風呂のレジオネラ菌検出数を100 ml 当り10 個 未満にする目標値を示していましたが、全く守られていない状況です。レジ オネラ菌は土や水など環境中にありふれていますが、入浴施設職員や老人保 健施設職員にレジオネラ症の知識は乏しく、衛生面での問題は多いようです。
資料:11月18日付 埼玉新聞
環境技術課 坂田 旭子
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