環境庁の 94年度の調査では自動車が排出する窒素酸化物(NOx)の75%、粒子状物質(PM)で は100%をディーゼル車が占めています。運送業者が保有するトラック約110万 台の大半はディーゼル車であるため、運送業者が果たすべき役割は大きく、そ の取組みの一つが「低公害車の導入」です。

 環境庁などが来年の次期通常国会に提出を目指している自動車NOx法の改正 案では、ディーゼル車を新車に切り替えることを義務づける車種規制が強化 される見通しです。92年に施行された前回のNOx法での対象地域は首都圏と大 阪・兵庫でしたが、改正では名古屋が加わる可能性があります。

 また、粒子状物質環境基準達成のため、ディーゼル車対策に取り組んでい る埼玉県も低公害車化を義務づける方針を決め、検討に入っています(10月 5日の県議会一般質問での、環境防災部長の答弁)。対象になるのは、埼玉 県と契約関係にある業者の車です。

1.物品納入のため県庁などに出入りする車
2.埼玉県発注の公共事業を請け負った業者が工事現場で使用する建設機械
3.契約を結ぶため来庁する営業用の車 
などがその例です。

 また、ガソリン車への代替が不可能な場合はディーゼル微粒子除去装置 (DPF)の装着を求めることを考えています。この件に関して、ディーゼル車 の利用者側としては、低公害車の導入に対して、次の前提条件2点を挙げて います。

1.低公害のCNG(圧縮天然ガス)車の車両価格が1.1倍まで下がること
2.燃料供給施設が増えること
 しかし、半数以上のトラックが耐用年数の途中で切替えを迫られるため、 運送業界にかかる負担は大きくなると思われます。

資料: 10月6日付 埼玉新聞、日経産業新聞

環境技術課 坂田 旭子


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