現在、一部排水処理施設に 利用されている低濃度オゾンは、1_あたり20 ppm(1 ppm は百万分の一)程 度であるのに対し、通産省は10 倍の200 ppm程度の高濃度オゾンによる処理 技術の開発に取り組みます。微生物を使用した排水処理工程に高濃度オゾン を利用することで次の2点を実現させる目的です。

  1. 排水中の難分解性物質の90%以上を除去することと処理スピードの向上。
  2. 従来方式の約40%の省エネ化。
オゾン自体に強い酸化力があるため、高濃度にすることで難分解性の化学 物質を除去することができます。

 処理施設は原水槽で高濃度オゾンを使用し、難分解性物質を易分解性に 変換します。続いて曝気槽でもオゾンにより汚泥の改質を行います。沈殿 槽から排出される汚泥もオゾン反応槽に移動させ、再び曝気槽に戻すとい う循環回路によって最終排出汚泥を極力減らす技術を構築するものです。

 しかしオゾンは結合力が弱いため、他の化学物質と結合して新たな有害 化学物質を生み出してしまうおそれもあります。このため、通産省ではこ うしたメカニズムの解析も同時に進め、2005年度の開発を目指し、高濃度 オゾンの安全基準の策定などを踏まえて、この排水処理技術の普及に努め る方針です。  

 資料: 9月8日付 日本工業新聞

 環境技術研究室 坂田 旭子  


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