中央環境 審議会の企画政策部会は、8月4日開催の小委員会で、国の環境行政の基本方 針として5年ごとに見直す環境基本計画の素案をまとめました。この案は8月 9日からの部会で審議された後、国民の意見を募り、年内に答申、閣議決定の 予定となっています。

新計画は、環境計画など企業の自主的取組みを初めて政策の主要な手段とし て位置づけ、支援を強めていくことを打ち出しています。また、重点分野と して地球温暖化、化学物質対策、健全な水循環確保、廃棄物リサイクル、交 通、生物の多様性の確保、環境投資、環境教育、国際的寄与、地域づくり、 経済社会のグリーン化メカニズムの計11項目を挙げ、施策の基本方向を示し ました。

 従来の環境行政では、環境基準の設定などの規制的手法や、廃棄物のデポ ジット制度など経済的手法が中心でした。今回、企業が自らの環境対策の費 用と効果を比較する「環境会計」や、自らの環境保全活動をまとめる「環境 報告書」を導入し始めているのを受けて、国として環境会計や環境報告書の ガイドラインを作成するほか、企業の環境保全投資に対して税制などで優遇 する考えです。また、温暖化への経済団体や建設団体の取り組みも支援する 予定です。

 水循環対策では、雨水が地下に浸透する量が多ければ、地盤が安定し、渇水 時には河川にしみ出し、水辺の生物に好影響を与えるなど、水循環が健全にな るため、雨水の地下浸透量について、関係者の意見を聞いた上で、流域ごとに 目標値を設定することを提案しています。

資料:8月5日付 朝日新聞

環境技術課 斎藤 詠子


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