環境庁は99年度に行った 公共用水域等のダイオキシン類調査の結果を8月25日発表しました。水質の ダイオキシン類平均濃度は0.24 pg-TEQ/l(568地点)。底質の平均濃度は5.4 pg-TEQ/g(542地点)。また地下水の平均濃度は0.096 pg-TEQ/l(296地点) と、前年度結果とほぼ同じ結果です。
しかし、一方で福島県逢瀬川の水質より14 pg-TEQ/l、神奈川県引地川では 13 pg-TEQ/l と、高濃度で検出される地点も数カ所あり、環境庁ではこのよ うな地点が潜在的にまだ存在していると予想しています。そして、この原因 を調査するため各水域に排水を排出している事業所や工場等の検査を行うと 発表しました。すでに、引地川下流域の主な汚染原因は荏原製作所藤沢工場 の配水管の誤接続であったことが判明しています。逢瀬川の汚染原因も、 保土谷化学工業の廃棄物焼却炉の排ガス洗浄施設排水であると発表されま した(昨年8月の自主測定の結果から、今回の調査以前に稼動は自主停止) 。同社ではすでに対策工事を完了させているとしています。このほか、原因が まだ特定されていないものの綾瀬川水域(埼玉県)、恩智川・第二寝屋川 水域(大阪府)などでも汚染の広がりが確認されています。
底質調査では綾瀬川水域の1地点で720 pg-TEQ/g と過去の調査結果の範 囲を超える濃度が検出されており、埼玉県は今後、実態調査を行う予定です 。また、「底質のダイオキシン類には環境基準値が定まっていないので、早 急に環境基準値を制定する必要がある」(環境庁)としています。
これらのことを考え合わせますと、各事業所・工場での自主測定・排出管 理を十分行い、二次汚染などにも注意を払うことが企業としてのリスクマネ ージメントの意味からも重要な意味をもって来たと言えます。
ダイオキシン類の自主測定等のご相談などありましたら、弊社(048-887- 2590)までお気軽にご連絡ください。
資料:8月25日付 環境庁報道発表資料、
8月28日付 日刊工業新聞、化学工業日報
クロマト研究課 須永 晃央
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