環境庁 は来年度から、「降雨→地下水→河川→海→蒸発→降雨」といった「水循環」 の状況を人工衛星のセンサーなどを使って解析する「環境監視情報技術」(環 境IT)の開発に着手する方針を固めました。

 今回採り入れたのは、可視光線や赤外線などの反射の度合いから土地の温 度や植物の状態を割り出す人工衛星の「リモートセンシング」(遠隔探査)と いう方法で、火山活動や熱帯雨林、海洋汚染などの調査に使われてきてお り、水循環に使われるのは初めてだそうです。これにより降雨の地下浸透 率を推計します。

 また、いままで正確な把握が難しかった地下水の流れは、ラドンやトリ チウム(三重水素)などの同位体の性質を利用して調べます。これによって 地下水の流れる方向や速さがわかるそうです。

 環境庁は、先日、素案の大枠がまとまった「新環境基本計画」の中でも、 水循環に着目した施策の必要性を訴え、各都道府県に「水循環保全計画」を 立てるよう求めています。地下浸透や地下水の流れを把握することは、こ うした計画づくりにも役立つとしています。

資料: 8月11日付 朝日新聞

   環境技術研究室 斎藤 詠子


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