建設省 と厚生省は、3月31日、めん類製造業など10業種の工場排水について、し尿と 合わせて合併処理浄化槽で総合処理できるよう取り扱うことを決め、それぞ れ各都道府県の担当部局に通知しました(建設省住指発第191号。 衛浄第20号)。合併処理浄化槽の対象範囲が事業所排水へと本格的に拡大 することになりました。

 合併処理浄化槽は、原則としてし尿と生活系の雑排水を処理することを想定 しています。事業所のうち飲食店の業務用厨房排水、公衆浴場排水などは処理 対象に含まれているものの、工場などの排水は対象外となっています。ただ、 食品製造業などの工場排水は生活系の排水と性状が近く、処理できる能力があ ることから政府は、平成10年度から平成12年度までの第2次「規制緩和推進計 画」で、し尿と雑排水の一体的な処理が可能な事業場の排水は単一施設で処 理するよう措置することを盛り込んでいます。

 今回の取扱いはこれを受けたもので、1日当りの排水量が 50 m3 未満で 特定業種の施設からの排水については雑排水としてし尿と合わせて処理(いわ ゆる総合処理)できることとしたものです。

 対象となるのは産業分類に規定する野菜缶詰・青果缶詰・農産保存食品製造 業の2業類・パン、菓子製造業の4業種・その他の食品製造業の4業種の事 業所で、順次追加してゆくとしています。

 浄化槽の構造面については、建設省が通知で建築基準法施行令改正に合わ せて総合処理を想定した基準を定めることを明らかにしています。処理対象 人員は『建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準』(JIS -A-3302-2000)で算定するものとされ、また、設計水量、設計負荷を適切に設 定するとともに、季節的・時間的な水量変動に対応するため必要に応じて原水 ポンプ槽、流量調整槽、排水の移送水量が調整可能な設備などを付設するよ う求めています。

 維持管理面については、厚生省が通知で水量変動に伴う汚泥流出を防止す るため保守点検・清掃の回数を調整し、汚泥発生量の増加に対応した施設など を付設するよう求めているほか、引き出した汚泥をすべて一般廃棄物とみな す方針を明らかにしました。さらに、市長村は今回の措置に対応し、必要に 応じて一般廃棄物処理計画の見直しを検討するよう要請しています。

資料: 平成12年4月11日付 設備産業新聞

環境調査課 関根 利康


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