建設省 はこのほど「改正建築基準法」に基づく浄化槽構造基準の運用を強化することで 単独浄化槽を実質的に排除することを方針として固めました。3月10日開催の 事務局長等会議で明かにされたもので、合併処理浄化槽は現行品を新構造の基 準適合品にそのまま移行させるのに反し、単独処理浄化槽は基準適合を改めて 審査するとしています。また、新基準には、大腸菌群数の規定を追加するとし ており、現行品単独浄化槽はこれをクリアできない可能性があるとみてい ます。

一方、事務局長等会議では、浄化槽から単独処理浄化槽を除外する浄化槽法 改正原案も公表されました。 浄化槽については現行の規定を一部見直し、施行令で汚物処理性能に関する 技術的基準を定める、としています。技術的基準は、改正案によると、BOD 値に加えて大腸菌群数を定めるもの。BOD値そのものは現行どおりとなる ものの、大腸菌群数は 3,000個/cm3 以下とする。技術的基準の適合について は性能評価試験を実施することになります。

 建設省は新構造基準の運用に当たって合併処理浄化槽は例示仕様を適用し て事務手続きだけで現行品を新基準適合品に移行させるのに対し、単独処理 浄化槽には性能規定を適用し、新基準適合を改めて審査することになります。 現行の単独処理浄化槽は大腸菌群数の規定をクリアできない可能性がありま す。  一方、浄化槽法対策議員連盟がまとめた浄化槽法の「改正原案」では、浄化 槽の定義を「し尿と雑排水を併せて処理する設備」とし、し尿と雑排水を浄化 槽で処理しなければ公共用水域に放流できないこととする。また、国庫補助 の規定を明文化するほか、既設の単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に設置替 えする義務規定を定める。施行日は平成13年4月1日としています。

 新構造基準が経過措置なしに6月から全面施行された場合、現行の単独処 理浄化槽はただちに設置できなくなり、新たな製品を開発し、大腸菌群数を 含めた新基準の適合審査に合格しても、平成13年4月に施行される改正浄化 槽法で設置が規制され、実質的に排除されることになります。

資料:3月14日付 週刊 設備産業新聞

環境調査課 関根 利康


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