環境庁は10月29日昨年度 行った内分泌かく乱化学物質の全国一斉調査の結果をまとめ、内分泌撹乱化 学物質問題検討会に報告しました。調査は、昨年5月策定の「環境ホルモン戦 略計画SPEED98」に基づき、大気、水質、底質、土壌、水生生物、野生生 物の6媒体を対象として、環境ホルモン作用の可能性のある67物質について行 われ、広い範囲で対象物質が検出されました。対象物質の検出頻度は、全検体 数の10%超でした。また、検出された物質のうち、過去の調査結果を上回ると 判断できた物質は、水質が7物質、底質が44物質、水生生物が3物質、野生生 物が1物質などでした。なお、土壌は過去の調査結果がなく、比較できなかっ たとしています。
また、環境庁は今回の調査と同時に、内分泌かく乱物質の環境負荷量につ いても調査を行い、同日併せて公表しました。それによりますと、今後のリ スク評価などに優先的に取り組む物質を選定するため、対象物質を暫定的に AからEの5段階に分けたほか、コアサンプル(地層)調査、排出経路調査も実施 されました。
同分類で要注意物質としてトリブチルスズ、4-t-オクチルフェノール、ノ ニルフェノール、フタル酸ジ-n-ブチルの4物質がAランクとされました。これ らについては、環境庁では今後早急に調査研究を行っていく方針です。 環境庁は、「今回のランク付けはあくまでも調査研究上のひとつのテスト であり、このランク付けが環境ホルモンとして影響を及ぼすと断定している わけではない」としています。
今回の5段階ランクの物質一覧表をご希望の方は、ご連絡ください。
資料:1999年 11月 1日付 化学工業日報,日刊工業新聞 クロマト研究課 田沼 祐樹
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