環境庁の「土壌中のダイオキ シン類に関する検討会」は、このほど居住地などがダイオキシン類に汚染された 場合、対策を取るべき暫定ガイドライン値を1000 pg/g(1 pg は1兆分の1 g) とする第1次報告書をまとめました。これを受け、環境庁は7月14日、汚染が明 らかになった場合、汚染土壌の除去や被膜、浄化などの対策を取るよう都道府 県や政令指定都市に通知する一方、真鍋環境庁長官が中央環境審議会に環境基 準の設定を諮問しました。

 検討会では、コプラナーPCBも含めたダイオキシン類を経口、皮膚接触、呼吸 などで体内に摂取した場合の吸収率などを計算した結果、1000 pg/g以下であれば、 人が一生取り続けても健康に影響がないとされる耐容1日摂取量(TDI)4pgを 下回ると結論しました。

 このガイドライン値は、住宅地のほか、住宅地の道路、公園、運動場など、 人の日常生活に関わりのある場所の土壌に適用されます。しかし、農用地や居 住地などから隔離されているごみ埋立地などは適用外とされました。

 検討会では、今後子供の遊び場や農用地、またさまざまな発生源からの国土 全体の汚染についても、国内のデータ蓄積が必要と指摘しました。環境庁で は、今後の調査結果次第では、それぞれのガイドライン値を設定する可能性 もあるとしています。


  日刊工業新聞、日本工業新聞、埼玉新聞、日本経経済新聞、1999年7月15日号
  化学工業日報、7月16日号、7月19日号、21日号、環境新聞、7月 21日号

                      クロマト研究課 田沼 祐樹

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