環境庁は土壌汚染及び ダイオキシン類による土壌汚染対策を具体化させる運びになってきまし た。土壌汚染〔ダイオキシン類を除く〕については、95年6月での土壌環 境保全対策懇談会の中間報告「市街地土壌汚染対策の課題と当面の対応」 を受けて、土壌汚染に対応する制度的枠組みの構築に向けた計画を本格的 に開始し、97年3月に土壌・地下水汚染対策事例等調査結果の報告を取りま とめ、年内にもそれらの対策指針等を見直し、現在実証中の浄化をベ−ス に開発された民間技術も一定の評価を得られたものを開示する予定です。 民間技術は30程度が評価される見込みで、原位置対策(原位置分解・固化 )原位置抽出、掘削、除去対策、最終的な分離・分解等の処理策などのカ テゴリ−で技術が整理されることになりそうです。
法制化も視野に入れての将来的な制度的枠組みでは、都道府県知事等 が汚染回復を発動する要件や基準値の設定に向けて議論が続けられてい る段階です。原位置汚染だけでなく、移動についても管理の目が入るこ とになります。現在の土壌環境基準のうち、鉛やひ素の溶出基準値(と もに0.01mg/L)は自然環境中でも基準値を超えるケ−スが想定され、 数値の見直しも予想されます。
一方、ダイオキシン類による土壌汚染は汚染の実態把握や対応策の構 築を図る目的で、今年度から土壌中のダイオキシン類に関する検討会が 発足しており、早ければ来春にも土壌汚染の対策目標値を設定し、来年 度にも対策ガイドラインを取りまとめる見込みで進めています。
資料:廃棄物新聞、平成10年11月2日号、16日号
環境分析センター 石澤牧子
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