通産省は環境汚染物質排 出移 動登録(PRTR)の法制化について「政府部内の調整を進め、できるだけ早 く法案を国会に提出したい」とし、化学物質審査規制法(化審法)の改正案づく りを急ぐことを化学品審議会総合管理分科会で明らかにしました。同省では「 現行の化審法のなかでも、新規化学物質の事前審査だけでなく、使用面での 管理、環境汚染防止をうたっている」としており、化審法改正で対応可能であ ることを改めて指摘しています。ただしデータの公開は法的に担保されてい ないことから、法制化を図る際には必要な手当てを講じるとする考えを示し たものです。
PRTR対象物質については、科学的にハザードが特定されている物質で、 物性や生産・使用状況から環境中に残留する恐れのある物質をPRTR対象 物質に特定するとしており、規制対象物質についても対象に含めるとしてい ます。
また9月9日から11日まで、経済協力開発機構(OECD)主催、環境庁運 営協力による「PRTRに関するOECD国際会議」が開かれました。この会 議は、世界各国で導入が進んでいるPRTRの実施状況をレビューするとと もに、今後の課題、目標など広く環境政策全般として、今後の方向性を討議 していくのが狙いで開催されました。ハンターOECD環境局長は、「OE CDは環境庁が実施したパイロット事業を高く評価している。今回の会議が、 この時期日本で開かれることは、非常に有意義」と述べ、日本政府の今後の 取組みに期待を寄せました。
資料:化学工業日報、平成10年9月9日、10日各号
分離分析課 高橋真朋子
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