ホルムアルデヒドは建材や家具、壁紙などの接
着剤、塗料や化石燃料がら出ます。動物実験では発
がん性も確認され、目、鼻、咽喉の痛み、めまい、
頭痛、吐き気、呼吸困難などの症状を訴える「シッ
クハウス症候群」や「化学物質過敏症」を引き起こし
ます。高濃度では死に至る危険性もあります。この
ホルムアルデヒドによって、一般家庭の室内が、戸
外の7.8倍も汚染されていることが、全国23の研
究機関が参加し、国立医薬品食品衛生研究所(東京
都)が集計、分析した全国調査でわがりました。同
研究所が集計した中間報告によると、民家のベラ
シダなどで測定した戸外の汚染濃度は全国平均で
8ppbだったのに対し、室内は約7.8倍の62
ppb、最高では480ppbだったとのことです。住
人が浴びた濃度は、新築住宅では中古の1.55倍、鉄
筋・鉄骨住宅は木造の1.19倍でした。
さらに、この調査に参加した名古屋市衛生研究所
の調査では、石油ファンヒーターなど室内排気型
暖房器具のない住宅の汚染濃度は戸外の2.3倍なの
に対し、使用している住宅では最高で5.5倍、平均
で3.5倍の汚染度だったとのことです。築10年以上
の家屋でも、室内排気型暖房器具を使用している
もののなかには、世界保健機関(WHO)の安全基準
値[短時間の吸引で、喉や鼻に刺激を感ずる最低濃
度として「30分平均値で1立方メートル当リ0.1
m g以下」]を超えているものがありました。
厚生省も新年度から他の化学物質も含め、健康へ
の影響を調ぺるほか、建設省と協力して対策に乗
り出す方針です。
資料:朝日新聞、平成10年1月25日号
クロマト研究室高橋
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